進出ロードマップ:抹茶カフェ ニューヨーク(マンハッタン)1号店
対象:東京で抹茶カフェを2店舗運営する株式会社(架空のサンプル顧客) 作成日:2026年10月28日 作成:Spool Gateway 調査担当
1. 要約
- 結論:一番すすめやすいのは、日本の会社が出資してニューヨーク州に子会社(Corporation)を作り、その子会社が店の賃貸契約・現地スタッフの雇用・食材の輸入を行う形です。LLCを選ぶかCorporationを選ぶかは、日米の税金への影響が大きいため、日米の税務に詳しい専門家に必ず確認してください。
- 最短の道筋:①専門家との相談と物件探しを同時に始める → ②子会社の設立と税務番号(EIN)の取得 → ③物件の契約 → ④店長候補のビザ申請と内装工事を並行して進める → ⑤保健局の営業許可・保険・税金の登録 → ⑥開店。
- 期間:今日(2026年10月)から2027年秋の開店までは約11〜12か月です。物件探し、建築関係の許可を含む内装工事、ビザの審査の3つで日程がずれやすく、余裕はあまりありません。この期間は当社が計画を立てるための目安で、公的な標準期間ではありません。
- 費用:役所に払う手数料は数千ドル程度です。費用の大部分は物件(保証金・家賃)、内装、設備で、これらは要見積もりです。予算の5,000万円は、仮に1ドル=150円とすると約33万ドルです(為替は要確認)。マンハッタンで足りるかは、物件の条件で大きく変わります。
2. 前提の整理
お客様の情報から読み取れること
- 日本の中小企業(従業員18名、年商約1.5億円)で、飲食店を運営した実績が2店舗あります。
- 出店先はマンハッタンで、2027年秋の開店が目標です。
- 日本から店長候補を1名送り、現地で5〜6名を採用する予定です。そのため、米国で人を雇う手続き(給与の源泉徴収、失業保険、労災保険など)が必要になります。
- 初期費用の上限は5,000万円です。
- 不安に思っている点は、会社の作り方、飲食店の許可、ビザ、物件の契約、食材の輸入です。
確認が必要なこと(入力にない情報)
| 確認したいこと | 影響すること |
|---|---|
| 店長候補の国籍と、日本の会社でどれだけ働いているか(管理職の経験も) | 取れるビザの種類(E-2かL-1か) |
| 日本の会社の株主の国籍の内訳 | E-2ビザの「会社の国籍」要件 |
| お酒を出すかどうか | ニューヨーク州のお酒の販売免許が必要か(要確認) |
| 席数・店の広さ(75人以上が集まるか) | 「集会所(Place of Assembly)」の許可が必要か |
| 店で作るもの(ソフトクリームなどの冷凍デザートを出すか) | 保健局の手数料の上乗せ |
| 輸入する食材の種類・量と、日本側の仕入れ先 | FDA(米国食品医薬品局)への登録、輸入前の事前通知、FSVP(輸入者が海外の仕入れ先を確認する制度)への対応 |
| 5,000万円の内訳(出資か、借入か、内部の資金か) | E-2ビザの「相当額の投資」の判断、融資の申込み |
| 物件の場所(96丁目より南か) | NYC商業家賃税がかかるか |
3. 事業の形の選び方
| 形 | 概要 | 長所 | 注意点 | このお客様への適合 |
|---|---|---|---|---|
| 現地法人(子会社) | ニューヨーク州でCorporationまたはLLCを設立し、日本の会社が出資する | 米国の事業の責任を子会社の中に分けられる。賃貸契約・雇用・輸入の主体にしやすい | 設立費用と、日米両方での会計・税務の負担がある | ◎ 推奨 |
| 支店(日本法人の米国支店) | 日本の会社がそのまま米国で営業する | 新しい会社を作らずに済む | 米国の事業の責任が日本の会社に直接かかる。米国での登録や課税の扱いは要確認 | △ |
| 駐在員事務所 | 市場調査や連絡が中心の拠点 | 費用が軽い | 店での販売のような営業活動には向かない | × |
子会社をすすめる理由 - 長期の店舗賃貸契約、現地スタッフの雇用、食材の輸入(米国側の輸入者になる)を、すべて米国の会社として行えます。 - 失敗したときに、日本の本社への影響を抑えやすくなります。
CorporationとLLCの違い(ニューヨーク州務省で確認した事実) - Corporation:設立の書類(Certificate of Incorporation)の提出手数料は125ドルです(NY州務省)。株式に課される設立時の税(organization tax)の額は要確認です。 - LLC:設立の書類(Articles of Organization)の提出手数料は200ドルです。さらに、設立したことを新聞2紙に6週間続けて載せる義務があり、設立から120日以内に掲載証明(Certificate of Publication、手数料50ドル)を出さないと、営業する権限が停止されます。新聞の掲載料は別にかかります(NY州務省)。 - デラウェア州で会社を作り、ニューヨーク州で営業登録する方法もあります。その費用と、実際に得になるかは要確認です。 - 日本の親会社が持つ場合、LLCとCorporationでは米国でも日本でも税金の扱いが変わることがあります。日米の税務に詳しいCPA(米国の公認会計士)と日本の税理士が判断すべき事項です。
4. 手続きの順番
期間は当社が計画を立てるための目安です。公的な標準期間ではありません。
-
専門家と相談先を決め、無料の公的窓口に相談する - どこで:ジェトロ、中小機構、NYC中小企業サービス局(SBS) - 期間:2026年11月中 - 費用:公的窓口は無料 - URL:ジェトロ 米国進出の制度・手続き/中小機構 海外展開ハンズオン支援
-
事業の形とビザの方針を決める(手順3と6を一緒に検討します) - どこで:米国の移民弁護士、日米の税務の専門家 - 期間:1か月程度 - 費用:専門家の報酬は要見積もり
-
物件を探す。用途地域(ゾーニング)と使用証明(CO)を確認する - 何をするか:飲食店として使える区域か、Certificate of Occupancy(建物の使用証明)の用途が合っているかを確認します - どこで:NYC建築局(DOB)の情報、建築士など - 期間:2〜4か月(要確認) - 費用:仲介料などは要見積もり - URL:NYC レストラン開業スターターガイド/使用証明(CO)ガイド
-
ニューヨーク州で子会社を設立する - どこで:NY州務省(Department of State) - 費用:Corporationは125ドル、LLCは200ドル+新聞掲載料+掲載証明50ドル - URL:Corporation/LLC
-
EIN(連邦の事業者番号)を取る - どこで:IRS(内国歳入庁) - 費用:無料 - 注意:オンライン申請には、責任者のSSN(社会保障番号)かITIN(個人の納税者番号)が必要です。どちらもない場合は、Form SS-4という書類をFAXで送ります(返送の目安は約4営業日) - URL:IRS
-
外為法の報告が必要か確認する(日本側) - 何をするか:海外への投資(対外直接投資)は、実行した後に報告する仕組みです。ただし取引額が10億円相当に届かない場合などは報告不要とされています。今回の規模では不要になる可能性がありますが、要確認です - どこで:日本銀行 - URL:日本銀行 外為法の報告制度
-
物件の賃貸契約を結ぶ - 何をするか:契約前に弁護士に条件を確認してもらいます。条件を満たせば、NYCの無料の法律支援が使える場合があります - URL:Commercial Lease Assistance Program
-
店長候補のビザを申請する(第6章を参照) - どこで:E-2は在日米国大使館、L-1は米国移民局(USCIS) - 期間:会社の登録を含めて数か月かかることがあります(要確認)
-
内装の設計・工事と建築関係の許可 - 何をするか:資格のある専門家が図面を建築局(DOB)に出し、工事は免許のある業者が行います。開店前にCertificate of Occupancy(使用証明)、仮の使用証明、または工事完了の書面(Letter of Completion)が必要です。75人以上が集まる店は、Place of Assembly(集会所)の許可も必要です - URL:レストラン開業スターターガイド/Place of Assemblyガイド
-
食品衛生責任者の資格(Food Protection Certificate)を取る
- 何をするか:営業中は、この資格を持つ監督者が常に1人以上店にいる必要があります
- 費用:オンライン講座は無料、最終試験は24ドル(会場で受験)。教室での講座は114ドル。資格に有効期限はありません
- URL:NYC Health
-
保険に入り、税金・雇用の登録をする
- 労災保険、就業不能保険(Disability Benefits)、有給家族休暇保険(Paid Family Leave):NY州労災補償委員会
- 失業保険と給与の源泉徴収の登録(EINが先に必要):NY州労働局
- 売上税を集める許可(Certificate of Authority)は営業開始の前に登録します:NY州税務局
-
保健局の営業許可(Food Service Establishment Permit)を申請する
- いつ:工事がほぼ終わった段階
- 費用:年280ドル。冷凍デザートを作る場合は25ドル加算
- 注意:申請から22日たてば、許可証が届く前でも営業できます
- URL:NYC Business
-
食材を輸入する準備をする(第5章を参照)
-
現地スタッフを採用し、研修を経て開店する
5. この業種で必要な許認可・届出
| 項目 | 内容 | 公式URL |
|---|---|---|
| 保健局の営業許可 | 年280ドル(冷凍デザートは+25ドル)。申請から22日後に営業できる | NYC Business |
| 食品衛生責任者の資格 | 営業中は資格者が常に1人以上必要 | NYC Health |
| 使用証明(CO)と建築許可 | 開店前に必要 | スターターガイド |
| Place of Assembly(集会所)の許可 | 75人以上が集まる場合 | DOBガイド |
| 売上税の許可(Certificate of Authority) | 営業開始の前に登録 | NY州税務局 |
| 労災・就業不能・有給家族休暇の保険 | 従業員を雇う場合に必要 | WCB |
| 失業保険・源泉徴収の登録 | 雇用主として登録 | NY州労働局 |
| NYC商業家賃税 | マンハッタンの96丁目より南で、年間家賃が25万ドル以上の場合に課税(家賃から35%差し引いた後の実質税率は3.9%)。年間家賃が20万ドルを超えると申告が必要 | NYC財務局 |
| お酒の販売免許 | お酒を出す場合のみ。要確認(ニューヨーク州酒類局) | 要確認 |
| 食材の輸入(FDA) | 日本側の製造・保管施設のFDAへの登録、到着前の事前通知(船便は到着の8時間前、航空便は4時間前まで)、米国の輸入者によるFSVP(仕入れ先の確認) | FDA 食品輸入/FSVP |
| 関税・通関 | 抹茶など品目ごとの関税率と、通関業者の手配は要確認(米国税関・国境警備局 CBP) | 要確認 |
| 最低賃金 | NYCは2026年1月1日から時給17.00ドル。2027年からは物価に合わせて毎年改定 | NY州知事室 |
6. 人の移動(在留資格・ビザ)
この章は概要だけです。誰がどのビザを取れるかの判断は、必ず米国の移民弁護士に確認してください。
| ビザ | 主な要件(公式情報より) | このお客様での論点 |
|---|---|---|
| E-2(条約投資家・その従業員) | 日本は対象国です。投資家は相当額の投資をしている(または投資の途中である)ことが必要です。従業員は投資家と同じ国籍で、①経営・監督的な職務か、②事業に欠かせない特別な技能のどちらかが必要です。外国語や文化の知識だけでは要件を満たしません(USCIS E-2)。在日米国大使館での申請手数料は315ドルです(在日米国大使館) | 5,000万円の投資が「相当額」と認められるか。店長の職務が監督的な職務と言えるか。株主の国籍の要件(要確認) |
| L-1A/L-1B(企業内転勤) | 申請前の3年以内に、日本側の関連会社で1年以上続けて働いていることが必要です。新しく作る拠点の場合、最初の滞在期間は最長1年で、延長するときは事業が実際に動いていることが求められます(USCIS L-1A/L-1B) | 店長候補が日本の会社で1年以上続けて働いているか(要確認) |
| ESTA(ビザなしの短期渡航) | 下見や商談など、短期の出張向けです。米国で働くことはできません(在日米国大使館) | 物件の下見など、準備段階での渡航 |
- 現地スタッフ5〜6名は、米国で働く資格がある人を採用する前提です。採用時には、働く資格を確認するForm I-9という書類の手続きがあります(USCIS I-9 Central)。
7. 使える支援・資金
無料の公的窓口
- ジェトロ(ジェトロ・ニューヨーク事務所を含む):貿易や投資の無料相談を受けられます。2026年9月には、飲食業のニューヨーク進出をテーマにしたウェビナーも開かれました(ジェトロNY/関連記事/現地支援プラットフォーム)
- ジェトロの農林水産・食品分野の輸出相談:食材の輸出ができるかの相談に使えます(ジェトロ)
- 中小機構 海外展開の相談:専門家に無料で相談でき、オンラインにも対応しています(中小機構)
- NYC中小企業サービス局(SBS):開業の手続きの案内のほか、商業物件の賃貸契約について無料の法律支援があります。対象になる条件があります(SBS Commercial Lease Assistance/NYC Business:レストラン)
融資
- 日本政策金融公庫「海外展開・事業再編資金」:海外に投資する中小企業向けの融資制度です。設備資金と長期運転資金が対象で、子会社への転貸資金も含みます。金利・融資額・お客様が対象になるかは、窓口で要確認です(日本公庫 融資制度一覧)。
補助金・助成金
- 店舗を海外に出すことに使える国や東京都の補助金は、今回の調査では確認できませんでした(要確認)。ジェトロ、中小機構、取引のある金融機関で、最新の公募があるか確認してください。
8. 期間と費用の目安
| 項目 | 期間の目安(当社の計画上の目安) | 費用 |
|---|---|---|
| 専門家への相談・方針決定 | 2026年11〜12月 | 専門家の報酬は要見積もり |
| 物件探し・契約 | 2026年11月〜2027年3月 | 保証金・家賃・仲介料は要見積もり |
| 会社設立(NY) | 数日〜数週間(要確認) | 125ドル(Corp)または200ドル+掲載料+50ドル(LLC) |
| EIN | オンラインなら即日、FAXなら約4営業日 | 無料 |
| ビザ(E-2またはL-1) | 数か月(要確認) | E-2の大使館手数料は315ドル。L-1の申請手数料と弁護士報酬は要確認 |
| 設計・建築許可・内装工事 | 2027年3〜8月(要確認) | 要見積もり(費用の大部分を占める) |
| 食品衛生責任者の資格 | 講座15時間程度 | 試験24ドル、または教室講座114ドル |
| 保健局の営業許可 | 申請から22日で営業できる | 年280ドル(+25ドル) |
| 保険・税の登録 | 開店の1〜2か月前 | 保険料は要見積もり |
| 採用・研修・開店 | 2027年8〜10月 | 人件費(最低賃金は時給17ドル以上。2027年の額は要確認) |
| 合計 | 約11〜12か月 | 公的手数料は数千ドル程度。総額は物件と内装の見積もり次第(予算5,000万円に収まるかは要確認) |
9. つまずきやすい点
- 物件の用途が飲食店に合っていない:使用証明(CO)の用途と合わないと、建築局の手続きが長引きます。賃貸契約の前に専門家に確認してください。
- ビザが開店に間に合わない:店長が開店前の研修に間に合わないおそれがあります。ビザ申請は物件の契約とほぼ同時に始めるのが安全です。
- LLCの新聞掲載を忘れる:設立から120日以内に掲載を終えないと、営業する権限が停止されます。
- NYC商業家賃税:年間家賃が25万ドル以上になる物件では、税金の分も予算に入れておく必要があります。
- FSVP(仕入れ先の確認)の準備が遅れる:日本の仕入れ先がFDAに登録されていなかったり、米国側で仕入れ先の確認体制ができていなかったりすると、通関で止まるおそれがあります。
- 食品衛生責任者が足りない:資格者が常に店にいる必要があるため、シフトを考えると複数人が資格を持つのが現実的です。
- 労災・就業不能・有給家族休暇の保険への加入漏れ:州から罰則を受けるおそれがあります。
- 為替の変動で予算が足りなくなる:円でとった予算は、ドル建ての見積もりを取るたびに計算し直してください。
10. 最初の30日でやることチェックリスト
- [ ] 店長候補の国籍・勤続年数・職歴、株主の国籍の内訳を整理する
- [ ] お酒を出すか、席数、メニュー(冷凍デザートの有無)の方針を決める
- [ ] ジェトロ(米国進出)と中小機構(海外展開相談)に相談を申し込む
- [ ] 米国の移民弁護士、日米の税務に詳しいCPAと日本の税理士に相談する(相手は公的窓口で情報を得たうえで、お客様が選んでください)
- [ ] 日本政策金融公庫に、海外展開向け融資の対象になるか問い合わせる
- [ ] 輸入したい食材のリストを作り、日本の仕入れ先がFDAに登録されているか確認を依頼する
- [ ] 内装費・保証金などのドル建ての概算を集め、5,000万円の予算と照らし合わせる
- [ ] 物件の条件(エリア、広さ、家賃の上限、96丁目より南かどうか)を決め、探し始める
- [ ] NYC保健局の食品衛生講座(オンライン・無料)の内容を確認する
- [ ] 2027年秋の開店から逆算した日程表を作る
11. 情報源
- NY州務省 Corporation設立:https://dos.ny.gov/forming-business-corporation-new-york
- NY州務省 LLC設立:https://dos.ny.gov/forming-limited-liability-company-new-york
- IRS EIN:https://www.irs.gov/businesses/small-businesses-self-employed/get-an-employer-identification-number
- NYC Business 保健局の営業許可:https://nyc-business.nyc.gov/nycbusiness/description/food-service-establishment-permit
- NYC Health レストラン開業:https://www.nyc.gov/site/doh/business/food-operators/opening-a-restaurant.page
- NYC Health 食品衛生講座:https://www.nyc.gov/site/doh/business/health-academy/food-protection-online-free.page
- NYC レストラン開業スターターガイド:https://www.nyc.gov/html/nycbe/downloads/pdf/nycstarter_guide_restaurant.pdf
- NYC 使用証明(CO)ガイド:http://on.nyc.gov/COguide
- NYC DOB Place of Assemblyガイド:https://www.nyc.gov/assets/buildings/pdf/pa_guide.pdf
- NYC Business レストラン:https://nyc-business.nyc.gov/nycbusiness/resources-by-industry/restaurant
- NYC SBS 商業物件の賃貸契約支援:https://nyc-business.nyc.gov/nycbusiness/business-services/legal-assistance/commercial-lease-assistance-program
- NYC財務局 商業家賃税:https://www.nyc.gov/site/finance/business/business-commercial-rent-tax-crt.page
- NY州税務局 売上税の登録:https://www.tax.ny.gov/bus/st/register.htm
- NY州労働局 失業保険の登録:https://dol.ny.gov/register-unemployment-insurance-0
- NY州労災補償委員会:https://www.wcb.ny.gov/content/main/DisabilityBenefits/employer-disability-benefits.jsp / https://www.wcb.ny.gov/content/main/coverage-required-db.jsp
- NY州知事室 最低賃金:https://www.governor.ny.gov/news/governor-hochul-reminds-new-yorkers-upcoming-minimum-wage-increase
- FDA 食品輸入:https://www.fda.gov/food/food-imports-exports/importing-food-products-united-states
- FDA FSVP:https://www.fda.gov/food/conversations-experts-food-topics/what-do-importers-need-know-about-fsvp
- USCIS E-2:https://www.uscis.gov/working-in-the-united-states/temporary-workers/e-2-treaty-investors
- USCIS L-1A:https://www.uscis.gov/working-in-the-united-states/temporary-workers/l-1a-intracompany-transferee-executive-or-manager
- USCIS L-1B:https://www.uscis.gov/working-in-the-united-states/temporary-workers/l-1b-intracompany-transferee-specialized-knowledge
- USCIS I-9:https://www.uscis.gov/i-9-central/form-i-9-resources/handbook-for-employers-m-274/70-evidence-of-employment-authorization-for-certain-categories/79-other-temporary-workers/791-e-nonimmigrant-status
- 在日米国大使館 ビザ:https://jp.usembassy.gov/visas/
- 在日米国大使館 ESTA:https://jp.usembassy.gov/ja/visas-ja/esta-information-ja/
- 日本銀行 外為法の報告制度:https://www.boj.or.jp/about/services/tame/t_seido.htm
- ジェトロ 米国進出:https://www.jetro.go.jp/worldtop/n_america/us/fdi/f-proc/
- ジェトロ・ニューヨーク事務所:https://www.jetro.go.jp/jetro/overseas/us_newyork.html
- ジェトロ 飲食業NY進出ウェビナー:https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/09/0405d1cb23378ba1.html
- ジェトロ 現地支援プラットフォーム:https://www.jetro.go.jp/services/platform/
- ジェトロ 農林水産・食品の輸出相談:https://www.jetro.go.jp/services/coordinator/
- 中小機構 海外展開ハンズオン支援:https://www.smrj.go.jp/sme/overseas/consulting/advice/index.html
- 日本政策金融公庫 融資制度一覧:https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/index_k_02.html
ご注意:本書は公的な情報をもとに整理した情報提供であり、法律・税務・在留資格についての助言ではありません。手数料・要件・期間は変わることがあります。実際に手続きや判断をする前に、必ず各機関の最新情報を確認し、弁護士・米国の移民弁護士・CPA・税理士などの専門家にご相談ください。本書は特定の事務所や業者をすすめるものではありません。
12. 話を聞きたい人リスト
このリストは、お客様の不安のうち次の 3 つを優先して作りました(カテゴリの指定がなかったため、不安な点から選んでいます)。
- 業界の規制・許認可:飲食店の許可と、日本の食材の輸入
- 物件・出店場所:マンハッタンの物件と賃貸借契約
- 会社の作り方・手続き:日本からの店長派遣と在留資格を含む
候補は、事業を公に行っている会社・創業者・公的機関・業界団体に限りました。日付は 2026 年 10 月時点です。
- メッセージはお客様ご自身が送ってください:こちらから代わりに送ることはしません。各 SNS の自動 DM の規約に反し、アカウント停止の恐れがあるためです。
- 聞くのは経験と考え方だけ:投資のお願いや仕事の依頼の文は入れていません。
- 専門家への相談が必要な部分:会社設立、税務、在留資格、契約書の確認です。最終的な判断は専門家にご相談ください(カテゴリ 3 の最後に窓口をまとめています)。
カテゴリ 1:業界の規制・許認可(飲食店の許可・食材の輸入)
| 名前(会社・肩書) | なぜこの人か(出典) | 公開の連絡窓口 | 確認用 URL |
|---|---|---|---|
| NYC Business Express Service Team(NYC BEST)(ニューヨーク市 中小企業サービス局 SBS) | 市の公的チームです。店舗型ビジネスに、免許・許可や規制の説明、店舗の現地確認、チェックリストの作成をしてくれます。対象にカフェが含まれ、罰金を科す立場ではありません(NYC BEST 公式)。料金はページに書かれていません(要確認)。米国法人を作る前の日本企業が使えるかも要確認です | SBS ホットライン 888-727-4692(平日 9〜17 時。NYC BEST につないでもらう)/オンライン申込:SBS Connect(アカウント作成が必要) | 公式ページ |
| Gina Zimmer(New York State Restaurant Association(NYSRA)、Senior Vice President, NYC Operations) | ニューヨーク州の飲食業界団体で、NYC 支部の責任者です。会員向けに、衛生検査の違反を防ぐガイドや、検査と格付けの仕組みの資料を出しています(NYSRA NYC ページ)。サービスの多くは会員向けです | (メールアドレス:お客様版に記載)(団体サイトに載っている業務用メール) | NYSRA NYC |
| Zach Mangan(Kettl、創業者) | 2014 年にブルックリンで創業した日本茶の輸入・販売店です。福岡に事務所を置き、日本の茶農家から直接買い付けて米国へ送っています(Fathom インタビュー、Well Spent Market)。抹茶の輸入を実際に続けている同業です | (メールアドレス:お客様版に記載)(一般の問い合わせ)(Kettl 公式)。本人の個人窓口ではないため、担当者に取り次ぎをお願いする形になります | Kettl 公式(店舗一覧) |
| Midtown Manhattan Small Business Development Center(SBDC)(Baruch College 内) | 州の中小企業支援センター(SBDC)のマンハッタン拠点です。1 対 1 の相談が無料です(NY SBDC 公式)。図書館の案内には、相談分野として「免許・規制への対応」や「輸出」が載っています(NYPL 案内)。海外の会社が使えるかは要確認です | 電話 (646) 312-4790(NY SBDC 公式) | NY SBDC 拠点一覧 |
最初に送るメッセージ(英語。Kettl や NYSRA に送る想定)
Subject: A question from a Tokyo matcha café owner planning a Manhattan shop
Hello [Name],
My name is [お名前], and I run two matcha cafés in Tokyo with a team of 18.
We are planning our first shop in Manhattan, aiming for fall 2027. I'm reaching out because [Kettl has been importing tea directly from Japan for years / NYSRA works closely with NYC restaurants on health inspections], and I'd love to learn from your experience.
If you have a moment, I have two questions: 1. When you started bringing matcha or Japanese food products into the US, what took the most time or caused unexpected trouble? 2. For a small café opening in Manhattan, is there a permit or inspection step that newcomers often underestimate?
Even a short reply would be very helpful. And if you're too busy, please feel free to ignore this — I completely understand.
Best regards, [お名前] / [会社名] / [会社サイトURL]
X の DM 用・短い版(280 字以内)
Hi, I'm [Name]. I run 2 matcha cafés in Tokyo and plan a first Manhattan shop for fall 2027. As someone who imports tea from Japan, what surprised you most about getting it into the US? Even a one-line answer helps — no worries if you're busy.
※ どの候補も、X の公式アカウントと DM の受付は確認できていません(要確認)。公開の DM を受け付けている場合だけ使い、そうでなければ上の窓口を使ってください。
カテゴリ 2:物件・出店場所
| 名前(会社・肩書) | なぜこの人か(出典) | 公開の連絡窓口 | 確認用 URL |
|---|---|---|---|
| Commercial Lease Assistance Program(ニューヨーク市 中小企業サービス局 SBS) | 店舗の賃貸借契約について、新しく契約するとき、更新・変更・解約するとき、トラブルのときに無料で法律の支援を受けられる市の制度です。条件は 4 つあります(公式)。 ① 米国中小企業庁の基準で中小企業であること ② 市内にあること ③ フランチャイズ店でないこと ④ 支援する法律事務所の所得の条件を満たすこと 日本企業の米国子会社で、まだ市内に拠点がない段階で使えるかは要確認です。ウェビナーやクリニックもあります |
SBS Connect から申込み/SBS ホットライン 888-727-4692 | 公式ページ |
| 朽網 一人 氏(株式会社七葉〔nana's green tea〕代表取締役) | 東京・自由が丘に本社を置く抹茶カフェチェーンです。2024 年 3 月にマンハッタンの 1250 Broadway に店を開きました。米国ではシアトル、ハワイに続く 4 店舗目です(apparel-web 現地レポート、会社概要)。日本の抹茶カフェがマンハッタンで物件を決めた、いちばん近い例です。今も同じ店が営業しているかは要確認です | (メールアドレス:お客様版に記載)(会社概要に載っている問い合わせ窓口)(会社概要) | 会社概要 |
| Hannah Habes(Matchaful、創業者・Chief Matcha Officer) | 2019 年に 1 号店を開き、記事の時点でニューヨーク市内に 8 店舗あります。日本の有機認証を持つ農家と直接契約して輸入しています(Precious.jp インタビュー)。マンハッタンで抹茶カフェを何店も出してきた経験があります | 検索結果では、店舗・提携の問い合わせが (メールアドレス:お客様版に記載)、一般の問い合わせが (メールアドレス:お客様版に記載) とされています(Contact Us)。ページを直接開けなかったため、送る前に要確認 | About Us |
最初に送るメッセージ(日本語。七葉に送る想定)
件名:東京の抹茶カフェ運営者より、NY 出店のご経験について 1〜2 点お伺いしたく
株式会社七葉 ご担当者様
突然のご連絡失礼いたします。東京で抹茶カフェを 2 店舗運営しております [会社名] の [お名前] と申します。
2027 年秋に、マンハッタンへの 1 号店の出店を検討しています。貴社が 2024 年に Broadway 店を開かれたことを記事で拝見しました。同じ抹茶カフェとして、物件選びのご経験を伺えたらと思いご連絡しました。
もしお差し支えなければ、次の 1〜2 点を教えていただけないでしょうか。 1. マンハッタンで物件を決める際、立地以外に重視された点(契約の条件、工事の期間、厨房設備など)はありましたか。 2. 日本の物件探しと比べて、想定より時間がかかった工程があれば教えてください。
営業のご依頼ではなく、経験談を伺えればありがたいという趣旨です。ご多忙のところ恐縮ですので、ご対応が難しい場合はどうぞお気になさらず、このメールは読み流してください。
[お名前]/[会社名]/[会社サイト URL]
X の DM 用・短い版(280 字以内)
突然失礼します。東京で抹茶カフェを2店舗運営している[お名前]です。2027年秋にマンハッタン1号店を検討しています。NYで抹茶カフェを出された経験から、物件を決める時に立地以外で一番気をつけた点を一言だけでも伺えたら嬉しいです。お忙しければ返信不要です。
カテゴリ 3:会社の作り方・手続き(日本からの店長派遣と在留資格を含む)
| 名前(会社・肩書) | なぜこの人か(出典) | 公開の連絡窓口 | 確認用 URL |
|---|---|---|---|
| ジェトロ・ニューヨーク事務所「ニューヨーク・プラットフォーム」(中小企業の海外展開を現地で支援する窓口) | ニューヨークで事業を始める中堅・中小企業の個別相談を受けています。専門分野として法務・労務・税務・会計を挙げています(ジェトロ公式)。対象の産業に「サービス」は入っていますが、飲食業が対象かと料金はページに書かれていません(要確認) | 日本の会社は (メールアドレス:お客様版に記載) か、最寄りのジェトロ国内事務所(ジェトロ公式) | ジェトロ公式 |
| ニューヨーク日本商工会議所(JCCI NY) | ニューヨーク周辺の日系企業でつくる商工会議所です。会員名簿や委員会があります(JCCI 公式)。日系で先に進出した会社の紹介や、勉強会の情報を得られる可能性があります。会員でなくても相談できるかは要確認です | 電話 (212) 246-8001(JCCI 公式)。メール (メールアドレス:お客様版に記載) は第三者のサイトでしか確認できていないため要確認 | JCCI 公式 |
| 河原 成美 氏(株式会社力の源ホールディングス〔一風堂〕Founder) | 2008 年にニューヨークへ海外 1 号店を出し、そこから世界に広げました(力の源 HD 海外ブランドページ)。米国向けに味や提供の仕方を変えた話も、インタビューで公開しています(The Worldfolio)。日本から人を送ってマンハッタンで店を立ち上げた、飲食の先輩企業です | 広報・取材・講演等のお問い合わせフォーム(公式) | 力の源 HD 公式 |
| Pace Small Business Development Center(SBDC)(Pace University 内、マンハッタン南部) | 州の中小企業支援センター(SBDC)の拠点です。事業計画などの 1 対 1 の相談が無料です(NY SBDC 公式)。米国側の会社の形(LLC か Corporation か等)を考える前に、論点を整理するのに向いています。海外の会社が使えるかは要確認です | 電話 (212) 618-6655/センターの公式サイト | NY SBDC 拠点一覧 |
専門家が必要な箇所と、公的な探し先
ここで話を聞く相手は、経験と論点を整理するための相手です。最終的な判断はそれぞれの専門家にご相談ください。
- 在留資格(店長候補の派遣など):米国の移民弁護士が担当します。米国移民弁護士協会(AILA)の無料検索 AILALawyer.com で、分野・地域・対応言語から探せます(AILA の案内)。どの在留資格が使えるかは、ここでは判断しません。
- 会社設立・米国の税務:米国の弁護士と CPA(公認会計士)が担当します。公的な窓口として、上のジェトロ・プラットフォーム(法務・税務・会計の分野あり)を最初の相談先にできます。
- 日本側の税務(親会社と子会社の取引など):日本の税理士が担当します。公的な相談窓口はまだ確認していません(要確認)。
最初に送るメッセージ(日本語。力の源 HD の広報フォームに送る想定)
件名:NY 進出のご経験について、取材・お話を伺えないかのご相談
株式会社力の源ホールディングス 広報ご担当者様
東京で抹茶カフェを 2 店舗運営しております [会社名] の [お名前] と申します。
2027 年秋にマンハッタンへの 1 号店の出店を検討しており、日本から店長候補を 1 名送る予定です。貴社が 2008 年にニューヨークで海外 1 号店を開かれた経緯を拝見しました。日本の飲食企業としての立ち上げのご経験を、可能な範囲で伺えないかと思いご連絡しました。
もしお差し支えなければ、次の 1〜2 点をお伺いしたいです。 1. ニューヨークの 1 号店を立ち上げる際、日本から送った方と現地で採用した方の役割分担は、どのように決められましたか。 2. 会社設立から開店までの準備で、もっと早く始めればよかったと感じた手続きはありましたか。
ご多忙のことと存じますので、ご対応が難しい場合はご放念ください。
[お名前]/[会社名]/[会社サイト URL]
X の DM 用・短い版(280 字以内)
突然失礼します。東京で抹茶カフェを2店舗営む[お名前]です。2027年秋のマンハッタン出店に向け、日本から店長候補を1名送る予定です。NY進出のご経験から、開店準備で「もっと早く始めればよかった」手続きを一言だけでも伺えたら嬉しいです。お忙しければ返信不要です。
送り方の注意
- 1 日に送るのは 2〜3 件まで:短い時間にたくさん送ると、迷惑メールや自動送信と見なされやすくなります。
- 同じ文を一斉に送らない:文案はひな形です。相手ごとに「なぜあなたに聞きたいか」の 1 行を書き換え、BCC での一斉送信もしないでください。
- 返事がなくても追いかけるのは 1 回まで:最初の送信から 1〜2 週間あけて、短いお礼とひと言だけを送ります。それでも返事がなければ、そこで終わりにします。
- 送るのはお客様ご自身:自動 DM のツールや、送信の代行は使わないでください。各 SNS の規約に反し、アカウント停止の恐れがあります。
- 公的な窓口では手続きの説明を聞くだけ:NYC BEST、SBS、SBDC、ジェトロでは、手続きの全体像と論点を聞くところまでにします。どの許可や在留資格が自社に当てはまるかの判断は、専門家に確認してください。
- お金の話はしない:どの相手にも、出資や資金のお願い、紹介料が絡む話は持ち出さないでください。
Sources: - NYC Business Express Service Team (BEST) - SBS Connect - Commercial Lease Assistance Program(NYC) - NYSRA New York City - Kettl Contact information - Fathom – Zach Mangan インタビュー - Well Spent Market – Kettl - NY SBDC Regional Centers - NYPL – Midtown Manhattan SBDC - Pace SBDC - nana's green tea 会社概要 - apparel-web:nana's green tea NY ブロードウェイ店 - Precious.jp:Matchaful 創業者インタビュー - Matchaful Contact Us - Matchaful About Us - ジェトロ ニューヨーク・プラットフォーム - ジェトロ国内事務所 - JCCI NY 公式 - 力の源 HD:IPPUDO(海外) - 力の源 HD:広報・取材・講演等のお問い合わせ - The Worldfolio:IPPUDO インタビュー - AILALawyer.com - AILA:Immigration Lawyer Search の案内
13. 進出先の下見レポート
調査日:2026年10月28日/対象:マンハッタンの1号店候補地(2027年秋の開店予定) この章は公開情報を集めて整理したものです。法律・税務・在留資格の判断はしていません。数字は出典の日付時点のもので、物件を決める前に必ず最新の値を確かめてください。
候補地の選び方
お客様から地域の指定がなかったので、「抹茶カフェとの相性」「初期費用5,000万円の範囲で借りられそうか」「客層の違い」の3つで、次の3地域を選びました。
| 候補 | 選んだ理由 |
|---|---|
| A. イーストビレッジ | 日本茶・抹茶の店や日本食の店がもともと多い。若い住民と学生が多い。家賃は他の2地域より低めの掲載例がある |
| B. ソーホー/ノリータ(グリニッジビレッジ寄り) | 観光客と高所得の住民が多い。抹茶のチェーン店が集まる激戦区。ブランドの宣伝効果は大きいが、家賃はいちばん高い |
| C. フラットアイアン/ノマド | 平日はオフィスで働く人が多い。治安・街並みの改善を進める地元の事業者団体(BID)が活発。昼の売上を作りやすい |
データについての注意(先に読んでください) - 住民の統計は、米国勢調査局の American Community Survey(ACS)2024年1年推計を、集計サイト Census Reporter で見た値です。地域の単位は「PUMA」という統計区で、いわゆる地区名より広い範囲です(A=マンハッタン第3地区=ロウアーイーストサイド・チャイナタウンを含む、B=第1・第2地区=金融街を含む、C=第5・第6地区=ミッドタウン東を含む)。 - 地元の人の声によく使われる Reddit は、今回の調査ツールでは開けませんでした。代わりに、地元ブログのイーストビレッジ情報サイト EV Grieve、地元ニュース、住民の口コミサイトを使いました。声の数は少ないので「傾向」として読んでください。 - 地域の住民協議会(コミュニティボード)が出している「地区のニーズ報告書」と、警察の地区別統計(CompStat)は PDF を読み取れませんでした。リンクは載せますが、中身は 要確認 です。
A. イーストビレッジ(East Village)
1. ひとことで言うと
個人経営の飲食店、日本の食文化、若い人が集まる「下町の文化地区」です。抹茶の本格派の店がすでにあるので「日本の本物」が伝わりやすい一方、店の入れ替わりが激しく、空き店舗も多い地域です。家賃を抑えて1号店を試すのには向いていますが、客単価を高く設定するのは難しいかもしれません。
2. 住んでいる人・働いている人
| 指標(マンハッタン第3地区 PUMA) | 値 |
|---|---|
| 人口 | 159,559人 |
| 年齢の中央値 | 39.5歳 |
| 世帯所得の中央値 | 52,203ドル |
| 1人あたり所得 | 58,001ドル |
| 貧困率 | 27.1% |
| 大卒以上 | 43.1% |
| 外国生まれ | 33.8% |
| 家で英語以外を話す人 | 43.4% |
出典:ACS 2024 1年推計(Census Reporter)
- この統計区にはチャイナタウンやロウアーイーストサイドの低所得の地域も入っています。イーストビレッジ(特に14丁目近くやアベニューA沿い)だけで見ると、所得の分布は違う可能性があります(要確認:米国勢調査の data.census.gov で国勢調査区ごとに見られます)。
- 近くに大学があり学生が多いと言われますが、学生の人数は今回確認していません(要確認)。
3. 地元の人の声
- 店の入れ替わりの速さがよく話題になる:セント・マークス・プレイス(2番街〜3番街)のチョコレート店が約10か月で閉店し、同じ区画は以前から短い期間で店が替わっていたと報じられています(EV Grieve, 2025-12-08)。同じ通りの台湾料理店 886 も8年で閉店し、「空き店舗がまた1つ増えた」と書かれました(Hoodline, 2026-09)。
- 大手チェーンの進出には複雑な気持ち:セント・マークスと3番街の角に Sephora が出店したときの記事には、「街が変わってしまう」という否定的なコメントと、便利になると歓迎するコメントの両方がありました(EV Grieve, 2026-02-14)。
- 個人経営のカフェの開店は好意的に受け止められている:地元の住民が始めたコーヒーと抹茶の店(アベニューA 64番地、2026年3月開店予定と報道)(EV Grieve, 2026-02)や、昼に抹茶も出す本屋バー(EV Grieve, 2026-05)など、「地元の人がやる小さい店」の話題は多いです。
- 抹茶の値段:地元のグルメ系ニュースレターは、本格的な抹茶ドリンク1杯 9.5〜10ドル前後を「払う価値がある」と書く一方、「甘い緑茶パウダーではないか確かめて」とも注意しています。イーストビレッジの雪月花(Setsugekka)も紹介されています(Crumbs of NYC, 2025-03-25)。
- 最近の変化:アベニューA 181番地に Barnes & Noble が出店(約11,300平方フィート、2026年11月開店予定)すると報じられました(Commercial Observer, 2026-05)。大型店が来ることで人通りが増える可能性があります。
4. 不動産
| 項目 | 値 | 出典・日付 |
|---|---|---|
| 空き店舗の割合(第3地区) | 15.33%(マンハッタン12地区中で2番目に高い。マンハッタン全体は12.99%) | Manhattan Chamber of Commerce Storefront Tracker, 2026年6月(民間データ Live XYZ などに基づく) |
| 14〜23丁目エリアの店舗の平均募集家賃 | 1平方フィートあたり年320ドル(2026年第1四半期、CBRE調べ) | Commercial Observer, 2026-05 ※イーストビレッジの北側に近い範囲で、イーストビレッジそのものの数字ではない |
| 掲載例 セント・マークス・プレイス 26番地 | 約1,200平方フィート・月12,000ドル | 物件サイト掲載(rregnyc.com、2026-10-28 に検索で確認。現在も募集中かは要確認) |
| 掲載例 セント・マークス・プレイス 120番地 | 約1,300平方フィート・月5,950ドル | 物件サイト掲載(nycretailleasing.com、2026-10-28 に検索で確認。成約済みの可能性あり、要確認) |
- 公的データ:市の財務局が、店舗の空き状況を建物の持ち主に届け出させてまとめた「Storefronts Reported Vacant or Not」というデータがあります(NYC Open Data, 最終更新 2026-10-13)。通りごとの空き店舗は、このデータで絞り込めます(今回は件数を集計していません:要確認)。
- 契約の慣習はマンハッタン共通なので、最後の「契約の慣習」の節にまとめました。
- 家賃が年25万ドル以上になると、市の商業家賃税(Commercial Rent Tax)の対象になります(後で説明)。イーストビレッジの小さめの物件なら、この基準より下に収まる掲載例があります。
5. 近くの競合・似たお店
- コーヒー・紅茶の店の数(市の保健局の衛生検査データより):郵便番号 10003 で78店、10009 で27店。※10003 はユニオンスクエアやグリニッジビレッジの一部も含みます(NYC Open Data「DOHMH Restaurant Inspection Results」、2026-10-28 に集計)。
- このデータの限界:検査記録がある店を数えているので、閉店した店が含まれることがあります。また、抹茶の店でも「その他」や「日本料理」に分類されている場合があります。
- 店名に MATCHA が入る店(同じデータ):10003 は Matcha House のみ。
- 公開記事・口コミサイトに載っている抹茶の店:Cha-An(茶庵)、雪月花、Choji、Matcha House、Saltwater Coffee など(Yelp の検索結果、Crumbs of NYC、2026-10-28 閲覧)。
- 特徴:茶室風の本格派、季節の甘い味の創作抹茶、個人経営のコーヒー店、の3種類があります。チェーン店はソーホーやフラットアイアンより少ない傾向です(店舗数での比較は 要確認)。
6. 人の流れ・交通
- 近くの駅:アスタープレイス駅(6号線)、1番街駅・3番街駅(L線)、2番街駅(F線)。西側には 14丁目-ユニオンスクエア駅(4/5/6/L/N/Q/R/W線)があり、2025年の利用者は年24,316,583人で市内4位でした(MTA 2025年の利用者データ)。そのほかの駅ごとの数字は、MTA が公開している表で確認できます(今回は集計していません:要確認)。
- 昼と夜:飲食店とバーが多く、夜と週末に人が多い地域だと言われますが、時間帯ごとの数字は確認していません(要確認:MTA の時間帯別利用者データ、または現地で数える)。
- 地下鉄全体では、2025年の利用者は2019年と比べて平日が73%、週末が88%まで戻っていて、週末のほうが回復しています(MTA)。
7. 気をつけること
- 空き店舗と店の入れ替わりが多い(上の 15.33% と、セント・マークスの閉店の例)。「なぜ前の店が出て行ったのか」を必ず確かめてください。
- 治安:この地域を担当するのは第9分署です。最新の統計は NYPD 第9分署 CompStat で見られますが、今回は PDF を読み取れませんでした(要確認)。市全体では、2026年1〜9月に銃撃事件・殺人が記録上最も少なかったと NYPD が発表しています(NYPD 発表)。
- 地域の住民協議会との関係:店の前の歩道に客席を出す場合や、将来お酒を出す場合は、住民協議会(Community Board 3)の審査があります。歩道席の申請の例は住民協議会のサイトで公開されています(CB3 の申請書の例)。住民協議会の地区ニーズ報告書(CB3 FY2027)の中身は 要確認 です。
B. ソーホー/ノリータ(グリニッジビレッジ寄り)
1. ひとことで言うと
世界中のブランドが「お披露目の場所」として使う商業地区です。抹茶のチェーン店(Matchaful、Cha Cha Matcha など)がすでに集まっていて、「日本から来た本物」を見せるには目立つ場所です。ただ、表通りの家賃はお客様の予算を大きく超えるので、裏通りやノリータ、ウエストビレッジ寄りの小さめの物件が現実的です。
2. 住んでいる人・働いている人
| 指標(マンハッタン第1・第2地区 PUMA) | 値 |
|---|---|
| 人口 | 160,189人 |
| 年齢の中央値 | 33.2歳 |
| 世帯所得の中央値 | 202,131ドル |
| 1人あたり所得 | 158,999ドル |
| 貧困率 | 7% |
| 大卒以上 | 86% |
| 外国生まれ | 21.7% |
出典:ACS 2024 1年推計(Census Reporter)
- この統計区には金融街やトライベッカも入っています。観光客の数は住民の統計には出てこないので、別に調べる必要があります(要確認)。
3. 地元の人の声
- 混雑とゴミへの不満:住民の口コミサイトには、交通渋滞・積み上がったゴミ袋・歩道の人混みへの不満や、「週末は混みすぎて家にこもり、月曜を待つ」という声があります(StreetAdvisor の住民Q&A、投稿の日付は 要確認)。
- 大型店への見方:大きな店が来ると通りすがりの人が増えてゴミも増える、という声もあります(同じページ)。
- 前向きな見方:ブロードウェイには新しい店が増えて人通りも多いという、2026年夏の地元の観察記事もあります。ただし、書いたのは不動産会社のブログです(2026年夏の記事)。
- 声の数が少なく、日付が古い可能性もあるので、強く言い切ることはできません。
4. 不動産
| 項目 | 値 | 出典・日付 |
|---|---|---|
| ソーホー・ブロードウェイの店舗の募集家賃(中央値) | 1平方フィートあたり年726ドル(2025年下半期。上半期から24%上昇、2016年のピークより12%低い) | REBNY(ニューヨーク不動産協会)の報告を伝える Commercial Observer, 2026-02-05 |
| 募集中の物件の少なさ | ソーホーとマディソン街は、募集中の店舗がそれぞれ20件未満 | REBNY 2026年上半期の発表, 2026-06 |
| 空き店舗の割合(第2地区=ウエストビレッジ・ソーホー) | 13.41% | Manhattan Chamber of Commerce, 2026年6月 |
- 試算(目安):ブロードウェイの中央値で1,000平方フィートを借りると、家賃だけで年約73万ドルになり、初期費用の5,000万円をすぐに超えます(為替は 要確認)。裏通り(プリンス通り、スプリング通り、ノリータ地区など)の数字は今回見つかりませんでした(要確認)。
- 建物の用途のルール(ゾーニング):2021年の見直しで、ソーホー・ノーホー地区では1階で店を開きやすくなりましたが、飲食店は1店あたり8,500平方フィートまでに制限されています(市都市計画局による市議会での修正の要約、ゾーニング規則 第14条)。小さいカフェなら面積の上限は問題になりにくいですが、物件ごとに飲食店として使えるかは、建築士や弁護士に確かめてもらう必要があります。
5. 近くの競合・似たお店
- コーヒー・紅茶の店の数:郵便番号 10012 で74店、10013 で63店(10013 はトライベッカとチャイナタウンも含む)。参考に、ウエストビレッジの 10014 は41店(NYC Open Data、2026-10-28 に集計。限界はAと同じ)。
- 店名に MATCHA が入る店(同じデータ):10012 に 12 Matcha、Cha Cha Matcha、Matchaful、Matcha 116。10013 に Matchaful、Tokuyamatcha & Onigirazu Bar。10014 に Aoko Matcha、Matchaful。
- 特徴:3つの地域でいちばんの激戦区です。チェーン店(Matchaful は市内に8店舗あると報道)が強いです。Matchaful は原料の値上がりに合わせて、値段を据え置いたままカップを小さくしたと報じられています(Bloomberg, 2025-08-14)。抹茶の仕入れ値が上がっていることは、お客様にとっても同じリスクです。
6. 人の流れ・交通
- 近くの駅:プリンス通り駅(R/W線)、スプリング通り駅(6号線、C/E線)、ブロードウェイ-ラファイエット通り駅/ブリーカー通り駅(B/D/F/M線、6号線)、キャナル通り駅など。駅ごとの利用者数は 要確認(MTA)。
- 昼と夜、平日と週末:住民の口コミからは週末の昼に人が集中する傾向が読み取れます。数字での確認は 要確認 です。
7. 気をつけること
- 家賃が高く、物件も少ない(上の表)。
- 混雑・ゴミ・観光客をめぐる、住民と店の摩擦(住民の声より)。
- ソーホー・ノーホー特別地区のゾーニングのルール(上記)。
- 治安:主に第1分署の担当です(NYPD 第1分署 CompStat、数字は 要確認)。ノリータ地区やビレッジ地区の一部は別の分署の担当です(要確認)。
C. フラットアイアン/ノマド(Flatiron / NoMad)
1. ひとことで言うと
オフィスと住宅が混ざった地区で、平日は10万人以上が働いています。昼休みやテイクアウト、法人の注文(会議用のケータリングなど)を取り込みやすいです。地元の事業者団体(BID)が広場のイベントや街並みの改善に力を入れていて、Matchaful や Blue Bottle などがすでにブロードウェイ沿いに出店しています。週末や夜の売上をどう作るかが課題です。
2. 住んでいる人・働いている人
| 指標(マンハッタン第5・第6地区 PUMA) | 値 |
|---|---|
| 人口 | 202,137人 |
| 年齢の中央値 | 37.5歳 |
| 世帯所得の中央値 | 160,384ドル |
| 1人あたり所得 | 139,804ドル |
| 貧困率 | 10.4% |
| 大卒以上 | 82.2% |
| 外国生まれ | 27.6% |
出典:ACS 2024 1年推計(Census Reporter)
- 働いている人:10万人以上、オフィスの空室率は約15%(マンハッタンでも低い水準)だと、事業者団体と業界紙が伝えています(CRE Daily)。ただし、出どころは事業者団体の資料なので、公的な統計(米国勢調査の勤務地の統計など)で裏付けを取るのは 要確認 です。
3. 地元の人の声
- 住民の生の声は、今回はほとんど見つかりませんでした。手に入った情報の多くは事業者団体や不動産業界の資料で、宣伝寄りです。
- 事業者団体は2026年秋の「季節の食べ物」特集で、ブロードウェイ沿いの Matchaful(1158番地)、Blue Bottle Coffee(1227番地)、Milk Bar(1196番地)などを紹介しています(Flatiron NoMad Partnership, 2026-09-23)。
- 歩行者用の広場の使われ方については、良い面と悪い面の両方を論じた記事があります(Urban Omnibus, 2026-04、中身は未確認)。現地で、平日と週末の両方に声を集めるのがよいと思います。
4. 不動産
| 項目 | 値 | 出典・日付 |
|---|---|---|
| 店舗が埋まっている割合 | 87% | REBNY 2026年上半期の発表、2026-06 |
| 物件の少なさ | ロウアー5番街やフラットアイアンの一部は「良い物件がわずか」 | 同上 |
| フラットアイアン/ロウアー5番街の店舗の家賃の幅 | 1平方フィートあたり年300〜600ドル | 民間の仲介会社のサイト(掲載例・目安):Metro Manhattan、2026-10-28 閲覧 |
| 空き店舗の割合(第5地区=ミッドタウン/第6地区=イーストサイド) | 14.62%/14.75% | Manhattan Chamber of Commerce, 2026年6月 |
- ブロードウェイ沿いの数字(中央値)は今回確認できていません(REBNY の報告書の本文 PDF に載っているはずです:要確認)。
- 1階を避けて、半地下や2階の物件にしたり、他の店の中に小さく出店したりすると、家賃を下げられる可能性があります(どれくらい下がるかは 要確認)。
5. 近くの競合・似たお店
- コーヒー・紅茶の店の数:郵便番号 10010 で26店、10016 で46店、10001(チェルシー・ペン駅周辺も含む)で79店(NYC Open Data、2026-10-28 に集計)。
- 店名に MATCHA が入る店:10010 に Cha Cha Matcha、Matchaful。10016 に Tokuyamatcha & Onigirazu Bar。10001 に Cha Cha Matcha(モイニハン駅ホールの店も含めて2店)、Matchaful Manhattan West。
- 特徴:昼休みの客を狙う大手チェーンのコーヒー店や甘い物の店が多いです。「抹茶だけの専門店」で、しかも日本の会社が直接やっている店は少なそうに見えますが、確かめてはいません(要確認)。
6. 人の流れ・交通
- 近くの駅:23丁目駅(R/W線、6号線、F/M線)、28丁目駅(R/W線、6号線)。南には 14丁目-ユニオンスクエア駅(2025年は市内4位、年24,316,583人)(MTA)。
- 歩行者:ロウアー5番街の歩行者は、2026年上半期に前年より2%増えました(REBNY 2026年上半期の発表)。事業者団体は、センサーや人の流れのデータで四半期ごとの報告を出しています(Pedestrian Counts)。平日と週末、時間帯ごとの数字は報告書の PDF の中にあり、今回は読めていません(要確認。問い合わせ先は事業者団体:(メールアドレス:お客様版に記載))。
- 平日の昼に人が多い傾向は、働く人の数からも推測できます。ただし、地下鉄は平日の利用者が2019年の73%までしか戻っていないので(MTA)、在宅勤務が多い金曜日などの客の少なさは現地で確かめてください。
7. 気をつけること
- ブロードウェイの大きな工事:市の交通局は、ブロードウェイの21丁目〜27丁目を、広場・広い歩道・自転車専用レーンに作り替える計画(総額1億5,600万ドル)を進めています。工事は2028年に始まり、2031年に終わる予定と報道されています(Streetsblog, 2026-02-27)。市の資料(NYC DOT, 地区協議会への説明, 2026-08-24)の中身は 要確認 です。2027年秋に開店すると、開店から1〜4年目に店の前が工事中になるおそれがあります。物件の場所と工事の範囲を照らし合わせてください。工事が終われば、人通りが増えるという良い面もあります。
- 治安:主に第13分署の担当です(NYPD 第13分署 CompStat、数字は 要確認)。
- 平日に売上が偏るので、週末と夜の売上計画が必要です。
3地域に共通すること
マンハッタンの商業家賃税(Commercial Rent Tax)
- 96丁目より南のマンハッタンで、年間家賃が25万ドル以上だと対象になります。年20万ドルを超えると、税金がかからなくても申告は必要です。実際の税率は3.9%です(NYC 財務局、NYC Business)。
- 中小企業向けの控除:所得500万ドル以下で、家賃が年50万ドル未満なら全額免除、などの決まりがあります(NYC 財務局)。お客様の現地法人がこれに当てはまるかは、米国の CPA(公認会計士)に確認してください。
店舗の賃貸契約の慣習(公的な情報と民間の情報を分けて書きます)
- 公的な情報:市の中小企業サービス局(SBS)が、中小企業の店舗契約の交渉や見直しを無料で弁護士に手伝ってもらえる制度(Commercial Lease Assistance)を案内しています(NYC Business、電話 888-727-4692)。この制度は2020年に予算から外されたことがありますが(ANHD, 2020-07-09)、今は市のサイトで受付中になっています。条件は「米国の中小企業庁の基準で中小企業」「フランチャイズではない」「法律事務所側の所得の条件を満たす」の3つです。外国の会社の子会社が対象になるかは、窓口で確認してください(要確認)。
- 個人保証を求められたら、「Good Guy 条項」(前もって通知し、家賃を払い終え、店を空けて返せば、その後の保証を外してもらえる条項)を入れるよう、市の窓口が勧めています(NYC311)。
- 民間の仲介会社のサイトによる一般的な傾向(参考):小さい店の契約期間は5〜10年、保証金は家賃の数か月分(飲食店や初めての出店者は多めに求められやすい)、家賃とは別に固定資産税・保険・建物の管理費を借り手が払う契約(NNN)が多い、内装工事の補助の代わりに「家賃が無料の期間」をもらうのが一般的、などです(Metro Manhattan、2026-10-28 閲覧)。日本から出店する会社だと、親会社の保証や多めの保証金を求められることがあると言われますが、この点は確認できていません。
- 契約書は必ずニューヨーク州の弁護士(店舗の賃貸契約に詳しい人)に見てもらってください。
飲食店の許可(場所を選ぶときに関係するところ)
- 市の保健局の飲食店営業許可(Food Service Establishment Permit):手数料は年280ドル(フローズンデザートを作る場合は25ドル追加)。監督役の責任者が「食品衛生講習(Food Protection Course)」に合格し、営業中はいつも店にいる必要があります。申請してから22日後から営業できます(NYC Business)。ソフトクリームなどの抹茶デザートを出すなら、フローズンデザートの追加の手続きが関係します。
- 歩道席(Dining Out NYC):市の交通局の許可と営業許可が必要で、どちらも期間は4年です。審査には最大6か月ほどかかると言われます。住民協議会での審査もあります(Dining Out NYC、NYC311)。開店のときから歩道席を使いたいなら、申請を早めに始める必要があります。
- 会社の作り方、ビザ、日本の食材の輸入(米国の食品医薬品局 FDA の手続き、関税)は、別の章で扱います。抹茶の仕入れ値は、関税と世界的な品不足で上がっている傾向があるので(Bloomberg, 2025-08-14)、どの地域でも売値と原価の計画は余裕を持たせてください。関税率は 要確認(米国の税関・国境保護局 CBP のサイトと、日本の JETRO で確認)。
3地域の比較表
| 項目 | A. イーストビレッジ | B. ソーホー/ノリータ | C. フラットアイアン/ノマド |
|---|---|---|---|
| 地域の性格 | 個人店と日本食の文化、若い人 | 観光とブランドの見せ場 | オフィスと住宅が混ざった地区、平日の昼 |
| 世帯所得の中央値(PUMA) | 52,203ドル | 202,131ドル | 160,384ドル |
| 年齢の中央値(PUMA) | 39.5歳 | 33.2歳 | 37.5歳 |
| 店舗の家賃の目安 | 掲載例で月6,000〜12,000ドル程度(約1,200〜1,300平方フィート) | ブロードウェイの中央値で1平方フィートあたり年726ドル(2025年下半期) | 1平方フィートあたり年300〜600ドル(民間サイトの目安) |
| 空き店舗の割合(地区) | 15.33%(多い) | 13.41%(ただし良い物件は少ない) | 14.62〜14.75%(店舗が埋まっている割合は87%) |
| コーヒー・紅茶の店の数(郵便番号別) | 10003:78/10009:27 | 10012:74/10013:63 | 10010:26/10016:46 |
| 抹茶の競合 | 本格派の個人店 | チェーン店が密集(いちばん激しい) | チェーン店が数店 |
| 客の多い時間帯(推測) | 夜・週末 | 週末の昼 | 平日の昼 |
| 初期費用5,000万円との相性 | ◎ いちばん収まりやすい | △ 裏通りの小さい物件でないと難しい | ○ 1階以外や小さい物件なら可能性あり |
| 主なリスク | 店の入れ替わりの速さ、客単価 | 家賃、物件の少なさ、混雑への苦情 | ブロードウェイの工事(2028〜2031年予定)、週末の売上 |
| 地元の声の量 | 多い(地元ブログ) | 少ない | ほとんどない |
3地域のどこが良いかはまだ決めていません。お客様の今の2店舗の客単価、席の数、テイクアウトの割合を教えていただければ、どの地域が合うかをもっと絞り込めます。
現地を見に行くときに確かめることのチェックリスト
人の流れ - [ ] 平日(火〜木と金曜日)の 8時・12時・15時・19時と、土日の 11時・15時に、候補の物件の前を通る人を15分ずつ数える - [ ] 抹茶やコーヒーのカップを持って歩いている人の数と、どの店のカップかを見る - [ ] 最寄り駅の出口から物件までの道のり(信号、坂、角の店かどうか)を確かめる
競合 - [ ] 歩いて5分以内の抹茶・カフェの店の値段(抹茶ラテ、ホイップ・デザート系、テイクアウトの割合)と、混む時間帯 - [ ] 競合の店が使っている抹茶の産地や表示(「ceremonial」とうたっているか)、カップの大きさ - [ ] 日本の会社の店か、地元の店か、チェーン店か
物件 - [ ] 前の店がなぜ出て行ったか、空いている期間はどれくらいか(市の財務局の空き店舗データと見比べる) - [ ] 今の建物の用途が飲食店として使えるか、換気・排気・グリーストラップ(排水の油を止める設備)・電気の容量・トイレの数・車いすで入れるか(建築士に確かめてもらう) - [ ] 家賃が年20万ドル・25万ドルを超えるか(商業家賃税の申告・課税の基準) - [ ] 家賃とは別にかかる費用(固定資産税、管理費)、家賃が無料になる期間、保証金、個人保証や親会社保証、Good Guy 条項 - [ ] 近くで工事の予定がないか(フラットアイアンはブロードウェイの改修計画の範囲と照らし合わせる)
地域 - [ ] 住民協議会(CB2/CB3/CB5)の会議を傍聴して、歩道席や飲食店への意見の傾向を知る - [ ] 夜の雰囲気、ゴミ出しの時間、ゴミがどれくらい出ているか、歩道の混み具合 - [ ] 地元の事業者団体(BID)の支援(イベント、販促、データの提供)
採用(現地スタッフ5〜6名) - [ ] スタッフが通いやすい路線か(何本の路線が使えるか) - [ ] 近くの店のアルバイト募集の時給の掲載例(日付を記録する)。最低賃金などの法律の決まりは別の章で公式の情報を確かめる
専門家が必要なところと、相談できる公的な窓口
| 内容 | 必要な専門家 | 公的な窓口 |
|---|---|---|
| 店舗の賃貸契約の確認と交渉 | ニューヨーク州の弁護士(店舗の賃貸に詳しい人) | NYC SBS Commercial Lease Assistance(対象になるかは要確認)/ニューヨーク州弁護士会の紹介窓口 |
| 物件を飲食店として使えるか(用途・建物の規制) | ニューヨーク州の建築士(Registered Architect)・設計士 | NYC Business(市の中小企業サービス局のビジネス支援) |
| 商業家賃税、米国での法人税・州税 | 米国の CPA(公認会計士) | NYC 財務局 |
| 店長候補のビザ | 米国の移民弁護士 | 米国移民局 USCIS、在日米国大使館 |
| 日本側の税務・送金 | 日本の税理士 | 日本の国税庁、JETRO |
この章で調べきれなかったこと(次にやること)
- 3つの分署の犯罪統計(PDF を読み取れなかった)
- 3つの住民協議会の地区ニーズ報告書(同じく PDF を読み取れなかった)
- Reddit など掲示板の声(ツールで開けなかった)
- 駅ごとの利用者数と、時間帯ごとの人の流れ(MTA の公開データを集計する)
- イーストビレッジ、ソーホーの裏通り、フラットアイアンのブロードウェイ沿いの、通りごとの店舗の家賃の中央値(REBNY の報告書の本文で確認)
- 統計区(PUMA)より細かい単位(国勢調査区)の住民の統計